
「卓球部って陰キャだよね」「国が認めてるし」。
この「国が認めた」というフレーズ、一度は聞いたことがある人も多いかもしれません。でも、なぜそういわれているのか、何が「国が認めた」の根拠になっているのか、ちゃんと知っている人は意外と少なくなってきています。
この記事では、「卓球部=国が認めた陰キャ」というネタの出どころを正確に解説した上で、そもそも卓球部がなぜ陰キャと言われるのかという実態まで整理します。
- 「国が認めた」ネタの正確な出どころ
- 共通テスト英語に出た卓球部コミュ障の話のあらすじ
- なぜ卓球部が陰キャと言われるのか
- 実際のところどうなのか
「国が認めた」ってどういうこと?
2023年共通テスト英語に卓球部コミュ障が出た話
結論から言うと、「国が認めた」というのは厳密には正しくありません。世間で勝手に広まったネタであって、正式に国が「卓球部は陰キャです」と認定したわけじゃありません。
では何がそう言われるようになったかというと、2023年1月14日に実施された大学入学共通テストの英語リーディング第5問に、コミュ障の卓球部員が主人公の長文が出題されたことがきっかけです。
大学入学共通テストは国(正確には、文部科学省が所管する独立行政法人・大学入試センター)が実施している試験です。そこに「コミュ障の卓球部員」が登場したことで、受験生たちがSNSで「国から卓球部は陰キャ認定されたw」と爆発的に拡散し、ネタとして定着しました。
実際の試験問題の出題意図はそういうものではないのですが、受験生がいじりやすいネタとして面白がった結果、今も語り継がれているわけです。
その問題のあらすじ
せっかくなので、話題になった第5問のあらすじを調べたので紹介しておきます。(日本語で)
主人公のBenは、中学でサッカーが好きだったものの、チームメイトとうまくコミュニケーションが取れず苦しんでいた。引っ越しを機にサッカーを辞め、新しい学校で卓球部に入部する。卓球を選んだ理由が「サッカーよりも個人プレーがしやすそうだから」という、いかにも陰キャらしい動機。
練習を重ねて卓球の技術は上達し、トーナメントで銀メダルを獲得するまでになる。しかしコミュ障は治っていないので、クラスメイトに「お祝いにパーティーをやろうよ!」と誘われたとき、つい反射的に「無理。練習がある」と断ってしまう。相手の善意を汲み取ることができなかった。
その後、長い間考え続けて「あのとき違う返し方をすべきだった」と後悔しながら、コミュニケーションについて学んでいく、という成長の話です。
受験生たちの反応は「陰キャ卓球部そのまますぎる」「リーディングに俺がいた」という共感の嵐でした。英語がデキる人は、試験中に笑った人もいたかもしれない。
ちなみにBenは最終的に卓球の技術を通じてコミュニケーションの本質に気づき、成長している話なので、卓球部や陰キャをバカにしているわけではないです。当然国が作ってるわけですからね。でも、なぜか「陰キャが卓球部に入る話」という部分だけが強烈に印象に残って広まったということです。
なぜ卓球部は陰キャと言われるのか
「国が認めた」という話は半分冗談ですが、卓球部に陰キャが多いというイメージ自体は、ちまたでも相当昔から存在します。なぜそうなっているのか、いくつか考えられる理由を整理してみます。
実は、ぼくの高校時代もなぜか卓球部だけ地下に練習場があって、そういうイメージはあったんですよね。(めちゃくちゃ失礼なイメージ先行話だとは思いますが)
校内カーストで低い位置に置かれやすい
多くの学校では、部活のカーストがなんとなく存在していますよね。今は、だんだん時代が変わってきているのかもしれませんが、少なくとも昔はありましたよね。
頂点にいるのは大体野球部・サッカー部・バスケ部とか(人数が多い・強い部活)。テニス部・陸上部あたりが中堅で、卓球部は下の方に位置しやすい。
カーストが低いということは、仕組みとして言うなれば、陽キャが入部を選びにくく、内向型の人間が集まりやすいということでもあります。
陽キャは「モテる部活に入る」という動機が強いので、卓球部には来ない。結果として内向型の生徒が毎年多くなる、それがぐるぐる回るという構造はあると思います。そういう意味でいうと、一度人数が爆発的に増えたり、強くなって好成績になった学校ではイメージが変わっていくことも多いです。
とにかく、卓球部と陰キャの結びつきは認識されていると言えます。
静かで個人プレーが中心という競技の性質もある
卓球は、体育館の中で静かにやるスポーツです。(イメージ先行かもしれないけど)
必ずしも大声を出す必要がなく、チームで盛り上がる場面も少なかったり。サッカーやバスケのように「ナイス!」「声出せ!」とみんなでわいわいする雰囲気ではなく、黙々とラリーをこなすイメージ。
個人プレーが中心なので、コミュニケーションが苦手でも参加しやすいのもあります。
まさしく共通テストのBenが卓球部を選んだ理由も「個人プレーがしやすそうだから」でしたが、これはかなりリアルな動機です。「チームで声を出し合うのが苦手だから卓球にした」という人は実際にいる。
競技の性質が内向型の人間に向いているので、自然と内向型が集まりやすい。これが「陰キャが多い」という印象を強化している一因となります。
体育館の端っこや舞台の上で練習している
これも、地味に効いていると思うんですが、多くの学校で卓球部は体育館のメインスペースを使えない。バスケ部やバレーボール部がコートを占領して、卓球部は端っこや、場合によっては舞台の上などで台を出してこじんまりやっているところもありますよね。
物理的に「端っこにいる部活」というポジションが、陰キャのイメージとぴったり重なってしまっている。端っこにいる、目立たない、静かにやっている。これが視覚的に「陰キャ的」に映りやすい、ということもあるかなと思います。
実際のところ、卓球部は陰キャなのか
そんなことはないですが、正直に言うと、他の運動部と比べると内向型の割合が多いのは実態に近いのかなと思います。
競技の性質、カーストの低さ、練習環境のすべてが内向型を引き寄せる方向に働いていることも多く、そうなりやすい構造がある、とは言えるでしょう。(学校によるけど)
ただ、だからといって卓球部員全員が陰キャなわけじゃないし、陰キャだとしてもそれは何も悪いことじゃない。
むしろ陰キャの強みである「集中力」「分析力」「一人で黙々と練習できる粘り強さ」などは、卓球に向いています。
サッカーやバスケと違って、一人で黙々と壁打ち練習ができる。ラリーの分析や相手の動きの読みは、観察眼が鋭い内向型が得意とするところでもあります。
共通テストのBenも、最終的にはコミュニケーションの問題を「卓球の技術で培った分析力」で理解し始めています。陰キャの強みが別の場所で生きている、というのはリアルな世界とも合っている話だと思います。
「卓球部は陰キャ」というのはネタとして広まっていますが、その裏側を見ると「陰キャが続けやすい部活」「陰キャの強みが活かせる競技」という側面があります。
馬鹿にしているというより、そういう部活だと思うのも良いかもしれません。
最近は変わりつつある
一方で、卓球部のイメージ(卓球だけじゃないが)はここ数年でかなり変化しています。
石川選手・水谷選手・伊藤美誠選手・早田選手・張本兄弟などといった選手がオリンピックやテレビでも活躍し、卓球が国民的スポーツとして認知されてきました。かつては「地味なスポーツ」と言われていたものが、テレビでの露出が増え、見ている側のイメージが変わっています。声も張り上げますしね。実際プレイを見ると、かなり派手ですしね。
強豪卓球校では、選手としてのステータスも当然上がっているでしょう。卓球で推薦をもらって有名校に進学する、という話も増えています。カーストの最下位というよりも「競技として本格的にやっている人たちの部活」という認識が広まりつつあります。
とはいえ、一般的な公立中学・高校の卓球部については、まだしばらくは陰キャのイメージがあるところもあるかもしれない。
競技のトップ層のイメージと、学校の部活のイメージがそれぞれ独立して存在している感じがあります。
まとめ
「卓球部は国が認めた陰キャ」というネタをまとめます。
- 「国が認めた」は、2023年共通テスト英語に卓球部コミュ障が登場したことで広まったネタ
- 正式に国が認定したわけではなく、SNSでの受験生の反応がきっかけ
- 卓球部に陰キャが多いのは、カーストの低さ・競技の性質・練習環境の3つが重なっているから
- 陰キャの強み(集中力・分析力・粘り強さ)は卓球に向いているという見方もできる
- 最近は卓球のイメージ自体が変わりつつある
卓球部に陰キャが多いのはある程度言えるかもしれないけど、それが卓球部の弱さではなく、むしろ陰キャの強みが活かせる部活だという見方が正しいと思います。
学校での陰キャの過ごし方についてはこちらもどうぞ。
→ 陰キャの学校行事サバイバル術|体育祭の髪型から文化祭の乗り切り方まで
自分の陰キャ度を確認したい人はこちら。
→ 【陰キャ診断】あなたの陰キャ度をチェック!全20問
よくある質問
Q. 卓球部は本当に陰キャが多いですか?
他の運動部と比べると、内向型・陰キャ気質の人の割合は多い傾向があるかもしれませんが、学校にもよります。競技の性質(個人プレー・静かな環境)やカーストの低さが、内向型を引き寄せる構造になっている場合はあります。ただし全員が陰キャというわけではなく、強豪校では陽キャ気質の選手も多くいます。
Q. 「卓球部は国が認めた陰キャ」は本当ですか?
正確には「国が公式に認定した」というわけではありません。2023年1月の大学入学共通テスト(国が実施する試験)の英語問題に、コミュ障の卓球部員が主人公の長文が出題されたことで、SNS上で「国から陰キャ認定された」という表現が広まったものです。ネタとして使われているフレーズで、正式な認定ではないです。
Q. 陰キャでも卓球部は楽しめますか?
楽しめると思います。卓球は個人プレー中心なので、コミュニケーションが苦手でも参加しやすい。一人で黙々と練習できる、相手の動きを分析する戦略性がある、集中力が武器になる、という点は陰キャの強みと合っています。部活の中に同じ陰キャ気質の仲間が多いのも、居心地の面でプラスになることがあります。でも結局のところは、陰キャも陽キャも関係ないですよね。どちらも本気でやれば楽しめる競技です。